まだまだ寒いこの時期ですが、冷たい風にもほんの少しだけ春の気配を感じます。
そう！いよいよ桜の季節の到来です！
日本人にとって桜という花はどこか郷愁を感じさせる特別な花です。サッと咲いてパッと散る、その潔さが日本人の潔癖な気風に合うということもありますし、日本国の国花であるため全国の学校や公共施設等には必ず植えられており、卒業式や入学式などの人生の節目のイベントには美しい桜色の思い出の風景として記憶されていることでしょう。桜といえばまず染井吉野が思い浮かびますが、染井吉野は江戸時代末期から明治時代にかけて現在の東京都内にある豊島区の染井村という場所で生まれた品種です。一重咲きで淡いピンク色の花を咲かせるのが特徴で、大変丈夫で病気にも強い品種のため全国の市町村の公舎や学校に植えられています。染井吉野は元々ある台木に接ぎ木をすることで、あの淡いピンク色の薄花びらを付ける花を咲かせることができます。全国に分布している桜のうち８０％は染井吉野ですが、これは全て同じ品種から接ぎ木されておりいわば全国の染井吉野は全員同一人物と言えるのです。なんだか不思議ですね。ちなみに桜の呼び方でよく言われる「染井吉野」と「ソメイヨシノ」は品種が違います。染井吉野は皆様おなじみの淡いピンクの薄花びらの桜ですが、ソメイヨシノは何種類かの桜の総称です。ソメイヨシノの中には「染井吉野」の他に「衣通姫」や「咲耶姫」等、神話の中に出てくる絶世の美女の名前を付けられているものもあります。日本人がいかに桜を愛しているかがうかがわれますね。
お花見の名所は日本全国にありますが、中でも有名なのが奈良県にある吉野山の「吉野千本桜」です。吉野山は山岳信仰に結びついていて、その起源は約１３００年前に遡ります。昔から山々には神が宿るとされていて吉野山は神仙の住む理想郷とされていました。その昔、修験道の開祖として知られる役小角（えんのおづの）が一千日の難行・苦行の果てに憤怒の形相恐ろしい「蔵王権現」を感得し、そのお姿を桜の木に刻み山上ヶ岳と吉野山に祀ったとされています。そしてその蔵王権現様の姿が刻まれた桜の木をご神木として、その周囲に献木という形で桜の木が植えられていきました。ここ吉野山には山上～中腹～山の下腹の他、山の奥を加えて４か所に桜の木が密集しているため、「一目見れば千本見えるほどの豪華さ」という意味で千本桜と呼ばれています。しかし実際には千本どころか４つのエリアを合計するとなんと約３万本にものぼる桜が見られるという非常に贅沢な場所です。例年、4月上旬から下旬にかけて気温が上がっていく順に下千本→中千本→上千本→奥千本と順々に開花していく様子が楽しめる場所なのです。「吉野千本桜」は日帰りバス旅行でも人気のコースです。当店でお取り扱いしております、ドラゴンズパック、カッコーパルック、鯱バス、JAMJAMライナー等のバス会社のコースには例年必ず入っている人気のコースなので、現地までバスで連れて行ってくれるお手軽日帰りバス旅行を是非ご利用下さい。
桜といえば夜桜も大変美しいものですね。東京都内には桜の名所が沢山あります。靖国神社には東京管区気象台が指定した東京のサクラの標本木があり、これが満開となり境内が桜色に染まるといよいよ東京のお花見シーズンの開幕です。隅田川では船でお花見クルーズを楽しむこともできます。東京都内の中心地、千代田区には「千鳥ヶ淵」があり皇居の周辺にあるお濠には遊歩道に沿って約２６０本もの桜の木が植えられています。お花見のシーズンには夜桜のライトアップがされ、ボートに乗って桜を楽しむことができます。また、東京からJR横須賀線で１時間ほどで神奈川県の古都鎌倉に着きます。鎌倉にも多くの桜の名所があり、特に鶴岡八幡宮は鎌倉を代表する桜の名所です。鶴岡八幡宮は鎌倉幕府初代将軍である源頼朝が創建した神社で、戦国武将や徳川幕府からも厚い信仰を受けた武門のシンボルのひとつです。正面参道の大きな石段からは鎌倉の街を一望することができ、空気が澄んで晴れた日には太平洋や伊豆大島までを見ることが出来ます。境内には源平池があり、その周りが桜の名所として知られていて池をぐるっと囲むように桜が植えられています。他にも初夏の紫陽花で有名な長谷寺の桜や鎌倉山の桜並木など、鎌倉には多くの桜の名所があります。当店お取り扱いのクラブツーリズムでは小田原・東京・鎌倉の桜の名所盛り沢山の「春爛漫・桜巡り」のコースをご案内しております。
桜の名所といえば東北もかかせません。東北の桜は４月中旬から下旬にかけて咲くため、日本列島の以南にお住まいで「今年は桜を見逃してしまった！」という方にもまだまだ楽しんでいただけます。みちのく三大桜と呼ばれる桜の名所のうちの一つ、青森県にある「弘前公園」は約２６００本の桜が咲き乱れる東北屈指の桜名所と呼ばれています。弘前公園は弘前藩主津軽家の代々の居城である弘前城の敷地にあり、園内のシンボルである弘前城の三層の天守は江戸時代に築かれ現在までその姿を留める全国でも数少ない貴重な建築物です。弘前公園には数多くの桜が咲き誇り、明治１５年（１８８２年）に植えられたという弘前公園で最長寿の桜は、丁寧な手入れにより今も豊かな花を咲かせていて、苔むした樹皮からは老木の風格を感じさせる青森県天然記念物として指定されています。他にも春陽橋から見る水面に映るライトアップされた桜はとても幻想的です。桜並木には約３６０メートルの両側に約１１０本の桜が植えられていて桜のトンネルを作っています。桜が散る頃になると外濠や地面はピンク色の花びらで埋め尽くされ「花筏」「桜の絨毯」などと表現されるとても美しい風景を見ることができます。みちのく三大桜の二つめは岩手県にある「北上展勝地」です。北上展勝地は東北有数の桜の名所として知られ全国の「さくらの名所１００選」の一つにも数えられています。北上河畔にかかる珊瑚橋から２キロにわたる桜並木の他にも、約１５０種の様々な桜が展勝地公園内に１万本あると言われており、４月に咲き始める染井吉野から５月上旬のカスミザクラまで様々な美しさを競います。さくら祭りの時期には北上川に名物の鯉のぼりが川を横断する形で掲げられます。鯉のぼりは普通５月の端午の節句に飾られますが、ここ北上川ではさくら祭りに合わせて数多くの鯉のぼりが飾られるのです。また、さくら祭りの時期にだけ赤い屋根の観光馬車が走ります。大きな馬がゆっくりとした足並みでカッポカッポと桜並木の下を観光客を乗せた馬車を引いて歩きます。早春の風物詩ですね。みちのく三大桜の最後の一つは秋田県にある「角館」です。みちのくの小京都と呼ばれる角館には武家屋敷通りがあり、この武家屋敷の黒板塀に降りそそぐように咲き誇り見事な景観を醸し出す「角館のシダレザクラ」が有名です。国の天然記念物に指定されているものをはじめ、この時期の角館町内は美しいシダレザクラの薄紅色に染められます。東北の三大桜からは外れますが観光客に人気のある場所では「小岩井農場の一本桜」も有名です。小岩井農場は広い敷地の中で乗馬体験ができたり、動物と触れ合ったり、名物ソフトクリームやジンギスカンや焼きチーズカレーを楽しめる体験型牧場です。小岩井農場の酪農牛舎にはおよそ９０本の桜があり、国の重要文化財に指定されている牛舎群と桜の見事な景観が楽しめますが、その中でも残雪の残る岩手山を背景に緑の牧草地に根を張る小岩井農場の一本桜は写真スポットとしても有名です。東北は見て良し、食べて良し、の歴史的建造物も多い場所です。美しい桜と大自然と日本の歴史に触れる旅は心に深く残る風景となるでしょう。
東海地区の近場では、信州・高遠の小彼岸桜はいかがでしょうか。近くには昼神温泉がありますので、ゆったりと温泉に入って信州そばを賞味することができます。高遠城址公園には「高遠小彼岸桜」というここにしかない固有種の桜が約１５００本植えられています。染井吉野よりやや小ぶりで赤みを帯びているのが特徴で目にも鮮やかな桜です。その可憐さは「天下第一の桜」と称されており高遠城址公園の樹林は県の天然記念物の指定を受けています。また「日本さくら名所百選」「桜の日本三大名所」にも選ばれています。花の見頃は４月上旬～中旬と染井吉野より少し遅めで、満開時には公園全体が薄紅色に染まります。さくら祭りの時期は高遠城址公園に屋台が出たり、夜にはライトアップやプロジェクトマッピング等、夜桜見物も楽しめます。高遠の小彼岸桜は日帰りバスのコースでも人気の定番コースです。
桜の咲き誇る風景は、それだけで日本人の心に訴えかけ揺さぶるものがあります。
この季節にしか味わえない感動を旅に出ることで是非味わってみて下さい。
ネオプランでは様々な桜のコースをご用意してお客様をお待ちしております。お気軽にご来店下さい。
